
別府市の指定有形文化財、別府市公会堂にて
参加者:しんかい、こふみ、安井翔、スピカ
担任:石原渉
PJリーダー:中田達也 (敬称略)
議題内容:
①海底探査方法や機材の説明、改善方法などの検討
②瀬戸内海の定義
③採取陶器破片などについて情報共有、成果や採取するにあたり法的な申請、許可の取得
④リーフデ号の研究意義
⑤中田先生より事務連絡~9月の全体発表や書籍出版計画、10月以降のメンバー選考
⑥大分チームブログの表紙写真について
場所:大分県別府市の別府市公会堂 第3会議室
日時:2025年3月29日 9:00-12:00

① 昨年12月から試行錯誤中の海底調査の方法についてディスカッション。大分県近海の地形、潮流や別府湾の水深や地質の知識を共有し、別府湾の海底の映像を確認。我々の調査手法や水深30mを超えても鮮明な映像に長年、水中考古学の現場におられた石原先生も驚いていました(心のガッツポーズ!)。詳細はまた別稿か9月13日の全体発表会で明らかにできればと思います。
② 本プロジェクトの対象となっている「瀬戸内海」はどこを指すのかという議論になり、海上保安庁や環境省が示す「瀬戸内海」の範囲を地図とともに確認。海上保安庁の定義によると大分県の場合は関崎灯台(大分市佐賀関)以南の海域は含まないことになってしまうのです。中田先生からはより広い「環境省」の海域で捉えてくださいとコメントがあり、先生方の間でも統一されておらず、認識の違いがありそう。

③ 漁業関係者への聞き取り調査や海岸での表面採集(表採)活動としてのビーチコーミングを行っています。このほど大分チームとして関係自治体、教育委員会に連絡を取り、研究を目的とした持出許可を得ました。ビーチコーミングで得た資料(主に陶器片)約100点をテーブルに並べ、参加者で矯めつ眇めつ手に取ってみました。数としては明治大正の比較的新しい陶器片が多かったのですが、中には日宋貿易を思わせる、青磁、白磁、肥前系/瀬戸美濃系の陶器片も。産地や年代にもバラエティがあり、瀬戸内海の生業や、海を介した貿易の一端を感じることができました。チームメンバーで協力しながら分布図作成やナンバリングや精査を進める方向です。




④ スピカさんからは慶長5(1600)年に大分県臼杵市の黒島に漂着したオランダ船リーフデ号について話題提供がありました。船尾の飾りである「エラスムス像」が栃木県の佐野市立吉澤記念美術館で公開されていたそう(~2025年3月9日まで)。リーフデ号は船舶そのものの基本情報や軍事的装備、積み荷の詳細、神奈川県横須賀市の浦賀で破船したとされるが実際どうだったのかなどまだまだ謎が多く、調査研究の余地が多いにあるとのことです。大分県に一度寄港したのは事実ですが、大分県での水中遺物の可能性、水中考古学活動としての結果が出せる可能性、着地点(ゴール)をどうするのかなどを議論しました。
⑤ 中田先生からは事務的な連絡がありました。全体の発表会の日程は9月13日の見込み、出版する本の章立てと各チームの分担、原稿の〆切など。10月以降のメンバーは再度面接の上、決定する等々。詳細はまだ決まっていないようなので事務局からの正式な発表を待ちたいと思います。

⑥ 大分チームブログの表紙写真や水中遺跡リストの再検討、持ち寄った資料批判、今後の活動方針については⑤に時間を要したため今回できませんでした。
議事録:こふみ
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