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【大阪チーム】全体テーマである「船型埴輪」の3Dプリンター化に向けて

第1回【大阪チーム】調査報告


記録:よぐ

参加者:よぐ、ちなみ.M、おくだ、みやもとさん(顔合わせのみ)

①    日時 2月14日(水)9:30‐12:00

②    行先:大阪歴史博物館

③    参加者

メンバー:よぐ、おくだ、ちなみ.M(以下敬称略)

(みやもとさんも顔合わせのみ参加)


④    調査内容

今回は大阪チームの全体テーマである「船型埴輪」の3Dプリンター化に重要な船型埴輪を所蔵する大阪歴史博物館によぐ、おくだ、ちなみ.Mの3人で向かった。

「みらいへ」乗船経験から、おくだ、みやもとさん、みみの3名から対面と現地調査の重要性について確認した、という報告があったため今回は最も重要な資料である「船型埴輪」を調査しに行くことになった。


大阪歴史博物館
大阪歴史博物館

元々みやもとさんも参加予定であったが、残念ながら仕事の都合により大阪歴史博物館前で顔合わせのみ、となった。


大阪チーム集合写真(よぐ、おくだ、みやもとさん、ちなみ.M)
大阪チーム集合写真(よぐ、おくだ、みやもとさん、ちなみ.M)

大阪の小学校の遠足では定番の大阪歴史博物館だが、報告者は奈良時代の人形位しか記憶になく、「船型埴輪」をしっかり見るのは今回が初めて。エレベーターで上がって順路の最初に「船型埴輪」が登場。想像以上に大きい2つをおよそ1時間鑑賞、意見交換をしていた。


「船型土器」、5世紀、大阪歴史博物館所蔵
「船型土器」、5世紀、大阪歴史博物館所蔵

航海士をめざすおくださんと、考古学を学んでいるちなみ.Mさんはそれぞれ専門分野ごとに視点が違っていて、話を聞いていて非常に楽しかった。当時の意見交換の様子を対話形式で、4つのトピックに分けて記述する。


(一) 船の二股部分について


復元古代船なみはや実験航海の様子
復元古代船なみはや実験航海の様子

おくだ「このなみはやの実験航海写真、すごく喫水が浅いのが気になります。二股部分が邪魔になっているのでは。」

ちなみ「喫水、確かに浅いですよね。この二股の船の形は日本各地と韓国でみつかっていて、余程特徴的だったのだと思います。オセアニアの船で、これに近いタイプの船だと下に人が乗ります。この船も二股部分に人が乗っていたんじゃないかな?」


二股の下部分に座る人(よぐ画)
二股の下部分に座る人(よぐ画)

おくだ「なるほど…それなら可能かもしれませんね。」


(二) 貨物船としての役割

日本、朝鮮間を行き来した貨物船?という話から、

おくだ「この船で物を運ぶのは大変そうだな。丸太なら、沈めて運べるからありうるかも。」

ちなみ「そうですね、木や石(石棺)の材料も運んでいたと思います。」

おくだ「また、気になるのがこの仕切りの多さです。無いほうが貨物を詰め込めるのでは?」


仕切りの多い船型古墳(よぐ画)
仕切りの多い船型古墳(よぐ画)

ちなみ「その装飾は呪術的な可能性も高いですね。お墓に埋葬されているものですから。」


㈢そもそも実用化された存在だったのか

よぐ「呪術、ということはそもそも実用化されていない、宗教的な道具の可能性もあるんじゃないですか?死後の魂を船で運ぶ、みたいな。古代エジプトの壁画で見たことある気がします」

ちなみ「実際、船そのものが埋葬されているケースもあるのでその側面は大いにあるでしょうね。ですが、墓以外でもこういったものが出土しているので日常的に使われていた可能性は高いです」

私「なるほど、実用されていた可能性は高そうですね。」


存在していたエリア、時代について

おくだ「日本と朝鮮しか行き来してないのですか?」

ちなみ「この船を模したものは5世紀の日本と朝鮮のみに出土していて、近くの中国では一切見られません。当時の中国(隋の一つ手前の南北朝時代)の造船技術は圧倒的に卓越していますからこの形の船は使わなかったんでしょうね。」

私「本物を見てみたいんですけど、日本海に沈んでいたりしませんか?」

ちなみ「みつかったらそれが一番ですよね。陸上の資料は奈良、平安時代もぽつぽつ出ていますが、日本の海中で一番古い発掘された船は13世紀元寇の船なんですよ。」

私「800年の歴史の空白があるということですか。」

おくだ「海中は陸上よりもそのままの状態で保存されるのに、不思議ですね。」

ちなみ「むしろ、保存状態がいいからなのかも。掘れば出てくるかもしれませんね。それと、日本の海域は他の地域よりも海流の関係か、でてきにくいです。インドネシアでは8世紀のものもでてきていますよ。」


⑤    韓国国立金海博物館 船型土器

今回みみさんは韓国旅行に行っていたため不参加であったが、ちょうど韓国の金海博物館にて船型土器の写真をグループラインにて共有してくれた。この船型土器は伽耶地域のものであり、大阪歴史博物館のもの同様、二股、仕切りがみられる。下がワイングラスのステムのようになっており、外側に斜線の模様が描かれているのが特徴的である。




大阪チーム集合写真(よぐ、おくだ、みやもとさん、ちなみ.M)
大阪チーム集合写真(よぐ、おくだ、みやもとさん、ちなみ.M)

⑥    今後の予定

3月に第2回博物館調査実施予定(未定)


⑦    作成者コメント

元々直接会って、資料調査に行けたらなあ、とおもっていたのですが、とうとう今回初めて博物館調査を企画しました。私は新しい職場の初出勤日と被ってしまい、泣く泣くみらいへ乗船を諦めたのでメンバーとは初顔合わせでした。みやもとさんは、仕事のお忙しい中わざわざ顔合わせに来てくれて、メンバーの大半とお会いできてよかったです。今回航海士という船に乗る側のプロを目指すおくださん、オセアニアの海中考古学を研究しているちなみ.Mさんと詳しいお二人に囲まれ、素人の私はひたすら感心しきりでした。非常に意義のアル調査で、開催してとてもよかったです。みみさんは残念ながら不参加だったのですが、旅行先から丁度話題に出ていた韓国の船型土器を共有してくれて、全員がでてくる、充実した報告になりました。来月ももう一度博物館調査を実施したいと考えています。

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